2020 中央大学 法学部 通信教育課程 GUIDE BOOK
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06平田 慎二さん卒業生 INTERVIEWMY PURPOSE A2006年4月に特許庁入庁。2010年4月、中大通教に入学。2012年3月卒業。その後、法科大学院に進学し、2015年に司法試験に合格。特許庁を退官し、知的財産権に関わる案件を多く取り扱う弁護士として活躍。 特許庁に入庁して、仕事上、法律に携わる機会が多くありましたが、過去に卒業した大学では電気電子工学を専攻しており、法律を学問的に勉強したことはありませんでした。行政官として仕事を続けるのであれば、法律を体系的に学ぶ必要があると考え、中大通教への入学を決めました。 仕事のうえで大いに役立ったことは、学習を通じて得られた法的思考力です。特許庁における業務に関連する法律は、いわゆる産業財産権法ですが、行政法はもちろん、民法、刑法、民事訴訟法が関わってきますので、それらを学ばなければ本当に理解したことにはなりません。基礎から法律を学ぶことによって、産業財産権法に対する理解も深まったと感じています。入庁時には馴染みがなかった判例も、中大通教に通うようになって読み解くことができるようになりました。また、学習の柱であるレポート学習で、論理的な文書を書く能力を養うことができ、仕事上の文書作成にも活かされました。 法律の第一人者である教員の方々の講義を受けることができ、法律の勉強を続けていく上での道標となりました。中大通教に入らなければ、司法試験を意識することは全くありませんでしたし、弁護士になろうとは夢にも思っていませんでした。 レポート作成では指定の文字数に収まるように、自分の考えを簡潔にまとめる必要があります。司法試験でも、自分の考えを簡潔に記すことが要求されますので、レポート作成で課題をこなしたことが司法試験に直接活かされたと思います。 卒業後、夜間の法科大学院へ進学しました。ここでも中大通教での2年間で培った法的思考力、法律的な文章を書く力が活かされました。また、中大通教で働きながら学んだ経験があったため、法科大学院でも、すぐに学習ペースをつかむことができました。その甲斐もあり、法科大学院在学中に、司法試験予備試験に合格することができました。 現在所属している弁護士事務所では主に知的財産権に関する案件を取り扱い、訴訟を多く手がけています。私は特許権侵害訴訟、審決取消訴訟等の専門的な事件を担当しています。また、特許庁での経験を活かして、特許の無効調査や侵害調査なども担当しています。特許調査は専門的な知識や経験が多く求められる分野ですし、特許庁の審査官を経験した弁護士は珍しいと思いますので、これまでの経験が役立っていると実感できています。 法律は社会人の経験が生きることで、さらに理解が深まる大人の学問だと思います。これからも法律家として弛まず研鑽を積んでいく所存です。中大通教に入学して特許庁での経験を活かした弁護士に

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